日向坂46『JOYFUL LOVE』で学ぶ構図と編集
その美しさはどこからくるのか
日向坂46の『JOYFUL LOVE』の話、
メチャカリタイアップを経て、やっっっっっとのことで公開されたこのMV
素晴らしすぎる
Full ver
Short ver
プロダクションデータ
Director:池田一真(P.I.C.S.)
Choreographer:CRE8BOY
Producer: 小浜元(P.I.C.S.)
Production:P.I.C.S.
ロケーション協力:養老公園(養老天命反転地)
色相を模したような鮮やかな衣装や、自然と現代アートが融合したロケーション(養老天命反転地)
これらももちろん素晴らしいんだけども、何よりも構図が素晴らしい、、、
そして、その素晴らしい構図を持つ各カットを繋ぐ編集も美しい、、、
最高かよ
というわけで、今回は『JOYFUL LOVE』の構図と編集について
ただただ画像が連続しているだけともいえない感じになってます()
基本的にMV頭からカット順になってるはず
全てのカットにガイドラインが入ってます
だいたいの構図の目安ぐらいに捉えてくださいな
まずはファーストカット
わかりやすい日の丸構図
インパクト重視で主役がわかりやすい
そこに続く足元のカット
三分割構図の左側のライン上を歩く足を追っていく
右側が空くことで行く先がわかりやすい
変わって柿崎
基本的には画面中央のライン上に人物を配置
サイドの道が斜線を生み出し、そのラインがクロスする位置になんとなく顔が配置されるように
あわせて、湾曲する来た道の先を映すことで、奥行きを追加
続けて渡邉
三分割構図、左上のクロスする位置に顔を配置
カメラが寄っていき、アップになるも顔のポジションは変わらず
十分に寄り切り、動き出した先は三分割構図右下のクロス
加えて、右下がりの対角線上を顔が移動することで安定感のあるスムーズな画に
そして、広角目でフルサイズの複数人をおさえていく一連のカット
基本的には三分割構図
はじめは右側のライン上を走るカット
次に左下のクロスに向かって歩いていき、そこからまた広がって行くカット
最後に右下のクロス付近を歩くカット
全部が三分割構図なので、視点の移動も上下左右と単純
見やすくまとまってる
ささみ
右上の位置に顔が置かれスッキリとしてる
なおかつ左側が空いてることで視線の先も分かりやすい
見えない誰かに対して話しかけてる感
柿崎からのささく
日の丸構図から流れるように三分割構図へ
カメラもメンバーも動きがしっかり計算されてる
ささくがタイミングよくスッと上手側に動いてるので分かりやすいかも
動いた後がこんな感じ
はじめは向かって来る柿崎を迎える向きだったのが、90度向きを変え横顔を見るような位置に
上下別のカットなのに、ささくが右側のライン上にいるため混乱することなく見れる
グッと寄ったような感じ
再度柿崎(+ニブダヨ)
柿崎は基本中央ライン上
演出的な意図がビシビシ感じられる
合わせて三角構図も
左右の壁が作る三角の内側に柿崎が配置されてるため収まりが良い
その三角の外側に丹生ちゃんがいるため良い意味で目立ってる
そして顔(眩しかったらしい)
見下ろすポジションから見上げるポジションへの位置変化
右上のクロスから左上のクロスへ上手いこと位置移動しているため、カットの頭から終わりまで中途半端な感じがしない
加えて、ささみのポジションも左ライン上から右ライン上へ移動しているため良き
足元
2カット目と基本は似ているものの、下手奥にしっかりと行き先が見えるため、映像意図も分かりやすい
どこか明確な先へ向かっている的な
ダンスシーンは二分割構図が基本かなっていう感じ
なので割愛←
動き回っててるものの基本的な構図は抑えてるかなっていう
これとかビシッとハマってる
1番サビ終わり付近
渡邉の顔を右上で押さえてから、同じ右ライン上に小坂がいるカットに繋がる
そして同じカットの中で右ライン上に小坂を押さえたままグッと寄っていく
そのまま対角線上に左上のクロス付近へ移動
下手側は木からの小坂と斜めの並び、上手側は建物とかの縦並びと、分けられているからごちゃごちゃしてない
2番に入り建物内へ
かわださんと宮田の頭で対角線が発生
サイズの違いによる距離感も発生し、奥行きのある画に
かわださんの手の動きが三分割の中央内に収まっていて、上下にはあまり出ていないためカチッとした感じのある画に
続けて引き
下手ノーマル気味、中央のハイライト気味、上手シャドー気味と明るさを用いて三分割に
人物は手前・奥関わらず、前カットから引き継いだ斜線上を動いていく
続けて富田
正面のカットから背面のカットとすぐ繋がるものの、ポジションがほぼ変わらないため混乱なく対象を引き継ぐ
そのまま右ライン上へ動いて行くため、構図的にもまとまってる
と思ったらカットが変わり、富田が左ライン上へ移動
けど、手が右ラインに伸びており、そのまま富田の身体も右ラインへと向かっていき、見ている人の視点もそっちへ移動
そして、右ライン上に渡邉がいるカットへと繋がる
綺麗な流れ
再び建物内のファーストカットと同ポジ
左ライン上にいるかわださんが、中央ラインへと移動
続くカットは松田このが中央ライン上付近を移動
左右の2人が動いていないため、松田このの動きが引き立つ
さらに続くカットでも、視点を維持するように、手前のかわださんや奥の松田このが中央付近を動いて行く
相変わらず、かわださんは中央ライン付近に
渡邉、かわださん、富田の頭で斜めのラインを生み出して、スケール感をプラス
移動距離の大きいかわださんが渡邉の背後に隠れるため自然と視点が切り替わり、渡邉を注目する(はず)
そのあとのカットでサイズが変化した渡邉が映るものの、前のカットの効果で渡邉に目がいく(はず)
その後渡邉は下手にハケ
3人とも三分割横ライン付近にいるため分かりやすい
松田このが、右ライン上を垂直に移動するあたり
さすがです
渡邉が屋外へ
バックショットもバストショットもしっかりと三分割構図を押さえてる
特に、下のカットは顔が右上、手が左下としっかり組まれてる
対面する高本へ
顔は左上にあり、背後の建物の色合いと衣装が相まって対角線が発生
一連で振った先の2人も右下のクロスに位置し、背後の傾斜で対角線も発生
一連のなかで逆の構図が展開されていくすごいショット
続けて4人のカット
はじめの引きは左下のクロスに4人を配置
背後の壁や、人物の配置等々対角線と平行になるものが多くて、映像の方向性や流れが捉えやすい
次の引きはあんまりまとまっていない、ように見えて、壁の青色と反対色であるオレンジの衣装を着た潮が右下のクロスに置かれているため、視線コントロールはかなりうまい
そのまま行進していき、高瀬が左のライン上でストップ
背後になる右側が大きく空くことにより、何か抱えているような印象がある
ちょっとひさしぶりの柿崎
相変わらずの中央
対して小坂は右ライン上に位置し、しっかり三分割構図
ダンスシーンを挟んで3人のソロカット
かとしは中央、他2人は三分割構図
かとしはもう少し上手に置きたかったんだろうなと思ったり思わなかったり
多分背後との関係性が構図的にうまくいかなかったんじゃないかな、、、
斜線がクロスしていく引きのカット
あんまいい感じにガイドライン引けてないですが、3人で三角構図も作ってるね
柿崎はここでも中央
と思いきややや左ラインに寄ったカットが
ここから一気にストーリーが展開
一点透視図法を用いつつ、柿崎は相変わらず中央
ぐぐっと進んでいき、プールへ
やや彩度低めになった印象
三分割下側にプールの水面を配置し、中央に人物
下手側に柿崎がいて、上手側が空いているため、対話性的なものが発生
小坂のカットに戻る
ソロショットかと思いきや下手側から柿崎と渡邉が登場
右ラインを境に、身体の向きが異なる
続くプールのカットでもその身体の向きは維持されている
関係性は変わらないまま開放的な場所から屋内に移動したため印象が違っている
より内側の対話みたいな
静かな印象から一転ダンスシーンへ
グッと寄っていくため、サイズは変わるものの位置はほとんど変わらず、三分割横の中央付近に位置している
意外と構図の崩壊がない
先のカットから、視点を三分割中央にしっかりと押さえている、続くカットでも同じ位置をキープ
複数人映るからこそ、視点が広がりすぎないように考えられてる
屋内に戻り、全員が端から中央に向かって順に座っていくカット
対角線構図が基本となりつつも、しっかりと取り入れられている三分割構図
順に座っていった最終地点が中央ではなく、左上のクロス付近に置かれているため、流れるように見れる
手前と奥での詰まり具合の見え方の違いにより距離感もしっかりとある
同シーン正面カットへ
先ほどと変わって、ここは最終地点がしっかりと中央に
カチッとした構図
アップでは全員の顔のが三分割横ライン上に置かれているため、横移動が栄える
こちらは対角線構図
手の動きを奥から手前に向けて押さえたカット
左上のクロス付近にいる金村の手の動きからカットがスタート
そのまま最終的に右上のクロス付近にいるささく、濱岸に動きが繋がっていく
ここはもうすごい綺麗
しっかりと視点が誘導されちゃってる
そしてラスト
ラストのひとつ前のカットでは、被写界深度を浅くすることで、自然と画面中央に位置する東村の手に視点がいくようにされている
そして、ラストカットは、誘導した視点を活かし、中央付近で小坂が手を180度捻る動き
完璧すぎるやろ
というわけで以上です
長々と語りました
ともかく『JOYFUL LOVE』は構図がすごすぎる
特に広角だったり、移動カットだったりで活かしまくっててもう恐ろしいぐらい
最高かよ
さすが池田一真だ、、、
ここまで計算されつくした素敵な作品を作りあげるクリエイターに恵まれている限り、日向坂46の魅力はどんどんと増し続けると思う
っていうかそうなってほしい
おわり